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nikki

秋はおしまい

 若者に続いて、同じ役職の同僚も職場を去ることになった。寒々しい気持になる。思えば年々、知っている人たちが辞めていく。みんなそうやって、自らそれぞれの転機を得るのだろうけど、それがうらやましい。だけど考えもなく真似をしてもしょうがないから、自分は自分の日々を過ごすだけだ。
 職場では、しばらく前から懸案になっている問題利用者(と言っても、迷惑行為をする、というわけではないのだが…)への対応にとらわれることが増えた。今日はそれで時間を取られて、それだけしかしていないように感じた日だった。そもそも懸案と言っても、ある利用者の申し出があって初めて浮上してきた問題だった。
 利用者Aは、別の利用者Bの、閲覧席の利用の仕方に問題があると考えている。Aは、たまに図書館を使う。一方のBはほぼ毎日来館する。Aは、来館しては度々窓口に上述の旨申し出に来る。それで、利用者Bに働きかけるようにし始めたが、利用者Bはあらためようとしてくれない。先週は事務室を、一人で阿鼻叫喚の空間にした。利用者Aから苦情が出てくるまでは見過ごしていたの実状だが、そのうちに利用者Aは、Bが長く席を離れている間に「図書館を出て行け」というようなメモ書きを残すようになった。そんなメモを二度ほど発見したが、巡回のスタッフが回収したために利用者Bの目に触れることはなかった。今度そういうことがあれば、メモを回収せず置いたままにしておこう、ということにはなったが、その後同様の事は起こっていない。働きかけをする側としては、そういうメモがあった方が「こういう具体的な苦情が出ているんだ」という証拠として示すことが出来るが、しかしそんな事をするのもどうかと思う。そんな気がする。利用者Aは「何とかしろ」という。利用者Bはひとりよがりな言い訳ばかりしている。
 今日は、怒ってばかりだったBさんと話すことができて、幾分かは進展となったと言えるが、「誰にも迷惑かけていない、席も自分一人分しか使っていないし、うるさくもしていない」という釈明には、理解を示したくもなる。しかし苦情があった以上、何もしないわけにはいかない。一方で館の上層部の職員は、この問題に閉口してしまっているような様子だ。なやましいところだ。何のためにやっているのだろう、という気になってくる。
 そんな日々のなか、再び粗食になって来た。ながしは数日間放置してしまっている。そんな暮らしを反映してか、一昨日はGが出た。夜、ベースを弾いていてふと床を見るといた。若いやつだった。と、何か気配を感じたのか、近くの物体に隠れようと動き出す。近くにあったのは、ギターのチューナーだった。頭隠して尻隠さず。チューナーはやつを少しも隠していなかった。でも少しの刺激で、敏捷に逃げ去ってしまうだろう。周囲には障害物が多過ぎて、一度逃したらその中から探し出すのはほぼ無理だろう。慎重に狙いを定めたが、一発目、しとめられなかったが、幸いやつはこちら側に動いた。二発目でやっつけた。
 こんなことしている場合じゃない。うまい飯が食いたい。

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若者は何処かへ行く

 昨日、今日と上司と話す機会があった。まだはっきりとしたことは何一つ決まっていないが、異動することになるかも知れない。自分で希望を出したこととは言え、今の所属館を離れることを意識しだすと、途端に職員の方たちや利用者たちの姿が浮き彫りになって見え、離れがたく感じる。慣れ親しんだ場所が安心できる所なのは間違いないが、今同じところに居続けるのは、自分の中で何か諦めのようなものを放置することのような気がする。
 そんな中、10歳近く年下の同僚(立場上は自分が上司だが、決して「部下」とは呼べない)が、人知れずある専門図書館の求人に応募して採用されたという話を知った。本人は、「何となく受けた」と言っていた。新しい職場は神奈川県になり、自宅から通うには遠いため、一人暮らしをすることになると言っていた。正規採用だという。新しい仕事、新しい暮らし、うらやましい。
 この頃、引っ越して新しい所へ行く夢をよく見る。この間は目黒区に住む夢を見た。でも夢に見るような街はどこにもないだろう。どこへ行っても人は多い。
 ところで、モーモールルギャバンのミニアルバム”サイケな恋人”がいい。メジャーデビュー前に制作されたもので、来月出るシングルに収録曲の”俺風呂入るトゥナイト”が新録音で収録される、というので聴いてみた。歌はあんまりな内容のものがてんこ盛りだが、その音楽からは何となく青春の匂いがした。秋の日も深まりゆく今、我が家ではブリティッシュフォーク系の音楽に混じってモーモールルギャバンが再びがんばっている。

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読書しない日々

 夏が過ぎ去って秋になって今は11月、来月はもう12月だ。一昨年も去年も、年末を落ち着かない気持で過ごしたから、今年は平穏に年を越したい。
 今日は仕事中に偶然、『ボリボン』というとても興味をそそられる題名の絵本を手にした。『ラチとライオン』や『ブルンミ』をかいたマレーク・ベロニカの絵本だ(どれも読んだことはない)。今度時間があったら読んでみたいが、そういう風な本との一瞬の邂逅というのは度々あって、面白そうな本は急いでタイトルをメモに取ったりする。以前はそうやって知った本を少し読んだりしたことがあったが、今では実際に読んでみたりすることは無いに等しい。
 夜間、倉庫へ取りに行った『また もりへ』という絵本を歩きながらパラパラめくって見てみたら、とても面白そうだった。これはマリー・ポール・エッツの『もりのなか』の続編で、文字どおり森の中を舞台にした絵本だ。少年と動物たちが車座になって何やらやっているのだけど、ページをめくってもめくっても、動物たちが皆そろって腹の前に手を添えて座っている様子が可笑しかった。
 読書、全然していない。

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炊飯器

 炊飯器が故障して一週間ほど経った。ちょっと柔らか目のご飯にしようとして水を多めにしたのがいけなかったようだ。炊飯器のディスプレイはエラー表示のままになってしまった。
 炊飯器が使えない間、米の作り置きもなく、店で買って来た弁当ばかり食べていた。今夜はともかく米を炊こうと思い、学生時代に使っていた炊飯器を出そうとした。その前に、故障した炊飯器が何とかならんかと手をつけてみると、エラー表示が消えて元の時刻表示に戻った。米を入れて炊飯をセットすると以前はしなかった異音がしたが、米は無事炊けた。
 普段使っているものが使えなくなると、それだけで生活がつまづいたようになる。炊飯器が使えるようになってよかった。