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鍋を囲んだ夜

鍋
餃子

 4月からとなりの区へ異動することになり、昨日初めての研修があった。異動が決まるまでに時間がかかったりして3月はずっと落ち着かなかった。
 今度行く所は今まで当たり前にやってきた仕事ができなかったり、通勤に使う朝の地下鉄が大変だったり、しばらくは慣れない日々が続きそうだが、昼飯の場所には困らなそうだ。
 昨夜は研修の終わった後に何人かで集まり、うちで初めての鍋をやった。ありがたいことに、先輩がガスコンロをプレゼントしてくれた。これでいつでも鍋ができる。用意していた鍋を見て、皆「小さい」と言っていた。カレーを作るときなんかに使っていたものだ。でも鍋はうまかった。白菜、しいたけ、えのきだけ、鶏肉など、普段食べないものをいろいろ食べた。スーパーで一緒に買ってきた宇都宮ぎょうざも美味かった。ラムネも皆で食べた。ラムネはうまい。でもクッピーラムネはいま一つだと、ますと話し合った。
 鍋をひとしきり食べ終えると、ナウakimotoのミーティングを行った。久々にギターを弾いたら指先が痛くなった。

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原付探し

 夕方家を出て、修理に出していた炊飯器を受け取りに行った。久し振りに西武池袋線に乗り、高架から眺める夕陽に照らされた関東平野はだだっ広かった。修理センターに着いて炊飯器を出してもらったら、依頼者名の欄に印字された名前の二文字目が「茂」になっていた。
 一度炊飯器を家に持って帰り、今度は西武新宿線に乗ってバイクを見に行った。今またバイク購入検討の波が来ている。西武線の各駅停車はなんでこんなに通過待ちが多いんじゃと思いながら下井草に向かった。目的地のバイク屋は駅から遠かったので走って行った。だが見たい色のものはなかった。ネットでは紹介されていたのに。でも珍しいのも置いてあって面白かった。
 すぐに店を出て駅に戻った。駅前のパン屋でパンを三つ買い、電車に乗った。パンを食いながら池袋のジュンク堂に行った。パンはとてもうまかった。スーパーで豚肉を買って帰った。

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髪がはねていた日

 今日、カウンターにいると、よく利用されるおばあさんが来た。年齢はあと数年で90だと言う。もっと若いと思っていたので驚いた。背筋がピンとしているのは太極拳をしているかららしい。昔、太宰治が身投げした玉川上水の近くに住んでいて、その事件があったとき、「男女が川に身投げした」と人が言うので聞いてみるとそれが太宰治なのでびっくりした、引き上げの様子は見せてもらえなかったと話していた。
 その後、前の図書館にいたときから声をかけてくれるおじさんと会った。この方も若く見えるが、もう都のバスを無料で使えるシルバーパスを持っていて、いろんな所に行くのだと言っていた。一年前に調べ物に使った本があったのに何度来て探しても見つからない、ということで検索してみると本は見つかった。しかし誰かに持ち出されたのか紛失になってしまっていた。
 暗くなってから、小学生の女の子が本を返しに来た。女の子は床にランドセルを置き、赤とピンクのチェックのふたを開けて中から本を取り出そうとする。ランドセルの中身が物珍しく、まじまじと見てしまった。連絡帳、教科書、いろんなものが入っていた。ランドセルの革のにおいが思い出されるようだった。
 帰る前にトイレの鏡で自分の頭を見ると、真ん中の髪の毛がピンをはねていた。昼に寝かせたつもりだったが直っていなかったようだった。夜遅く、晩飯を食ってから、隣の区の図書館で働くおばちゃんと電話で長話した。