久しぶりのニ連休だった。昨日の昼、退職する同僚たちと食事をして、その後用事を済ませてから池袋でタオルケットやペンを買って都電に乗って帰った。スーパーではキャベツ、豚肉4パックなどを買った。帰宅してしばらく居眠りして、夜も更けてから昼の弁当のおかず作りに取り掛かった。今回はかなり大量に出来た。豚肉4パック、キャベツ2/3個くらいとタマネギ三つ、人参一本、ニンニクの芽ひと束を三回に分けて調理し、12食分のおかずになった。冷凍庫に入らなくなったので、春の停電のときに入れていた氷パック(ジップロックに氷を入れて凍らせたもの)を出した。おかず作りが終わって、その夜の晩飯を作って食べる頃にはもう夜中になっていた。
この頃は生活のペースも安定せず、つまらないことに気を取られて茫漠とした日々を過ごしていた。趣味の音楽も、ギターには触れるものの身を入れて何かやる、ということもなくなっていた。それがちょっとフラストレーションみたいになりつつあったが時間も作れず、ただただ暑い夏を過ごしていた。そんな所だったから、休日にいろいろやろうとしていたことはありながらも、真夜中に勢いでレコーダーに向かい、久々に録音作業に取り組んだ。その結果寝たのが朝方になり、今日起きる時間も遅くなった。
夕方、隣町の図書館へ行ってさっさと本を借りて帰るつもりでいたが、本を開いて見て選んで、というのはそんなにサッサとは進められなかった。一時間ほど図書館で過ごして、大きな重たい本を借りて帰った。晩飯時にさしかかろうという時刻だったが、館内には結構たくさんの人がいた。
東京はどこへ行ったって人は多いし、家も多い。今住んでいる所は、これままでで一番住宅が密集している所だ。江古田で生活していたときは目白通りが近くにあり、千川通りは狭かったが並行する裏通りがあったから、どこかへ行くのに不便はしなかった。豊島区の要町通りも広かった。でも今暮らしている所にある通りは、南北を結ぶ重要な道路なのだろうけど、片側一車線で路上駐車も多く、歩道は歩道でたくさん自転車がとまっていて、交通事情はあまりよくない。
普段、通勤は原付だから、休日に自転車で移動すると、そんな「地元」の様子にとまどう。あまり出歩いたりしないために、地理感覚もあまり身に付いていないから困る。そんな町に暮らして一年半くらいになる。スーパーは歩いてニ、三分のところに最寄の店があったりして、自分の生活サイクルの中でうまく使えるようになった。もっと慣れたらいいな、と思う。肌に合うのはきっと、東京の中でも東ではなく西の方なんだろうけど。
上野が近くにある大きな街だから、もっと上野で遊べるようになればいいんだろうけど(元々は上野のあたりに住もう、ということで東京東部への移住を検討した)、上野には残念ながら大きな本屋がないし、CD屋はめぼしい店は一軒もないようだし、それだと自分には過ごしようがない。アメ横を散策できればいいのかも知れないが、アメ横はよく分からないし観光客向けのように感じもするし、従兄弟は以前よく上野に行っていたようだが、どんな風にして過ごしていたのか気になる。そんなだから、いまだに買い物をするときは池袋と新宿に行ってしまう。
そんな今日この頃、今月出たねごとの新譜を聴いている。ああこりゃ、若者が聴くものだよなあ、とちょっと恥ずかしく思いながらも、でも”カロン”と”メルシールー”はいい曲だから聴いている。モーモールルギャバンとふくろうずほど熱中してはいないけど。
そう言えば先日、モーモールルギャバン目当てであるイベントに行った。モーモールルギャバンとくるりとあと二組出ることになっていたから、モーモールルギャバンは後の方だろうと思ってゆっくり行った。しかし到着した頃にはモーモールルギャバンの演奏真っ最中で、とても残念なことに結局二曲半しか聴けなかった。出番が二番手だったのだ。会場の渋谷AXは、二階席だったからかも知れないが、とても音響がよかった。ベースが少し小さめだったけど、三人それぞれの演奏と歌声がくっきりはっきり聴こえた。
5人になったくるりは初めて見た。ドラムは思いのほか安定、いやそれ以上にダイナミクスの付け方も豊かで技量のあるプレイヤーだった。ギターボーカルで加わった吉田は元々自身のリーダーバンドで活動していたような人だから、どんな風にしてくるりの音楽に関わるんだろうと気になっていたが、控え目にレスポールを弾いている様子は側面から補佐する、というような感じだった。トランペットの女の子は要所要所でメロディーを鳴らし、新しいサウンドを作っていた。この二人が、”ハイウェイ”や”ロックンロール”で達身の弾いていたフレーズを演奏したりして、寂しくも感じたが、時は過ぎて今、確実にくるりは新しい時期に入っているようだった。新しいドラマーの田中は、初代ドラマーの森に風貌も似ているが、くるりも大分長く活動しているから、そんなドラマーがいたことも知らないファンも多いのかもしれない。
くるりの演奏中、二階席から一階の様子を見ると、観客は皆同じように手を振り上げていた。中堅バンドになって聴き手との関係が安定していくと、そんな風になってしまうのだろう。一方のモーモールルギャバンのときは、これはファン目線だからではなく本当にそうだったのだけど、一階の観客はそれぞれに自分のリズムで音楽に身を任せていて、楽しんでいる様子がありありと見てとれた。そういう風に観客に聴かせられるところは、メジャーデビューしてまだ二年目の、今のモーモールルギャバンの強味だと思う。今度はちゃんと聴きたい!