新しい一日

　今日から新しい図書館での日々が始まった。定期も初めて使った。昨夜、買うのに列に並んで20分以上待った。定期は改札でタッチしても「0円」としか出ないのだ、僕は知らなかった。朝の地下鉄はすごい混雑だ。ギュウ詰めの車両を遠くから眺めたら、こんな乗り物の中に人が大勢つまっているのがどんな風に見えるんだろうかと考えた。
　図書館に着き、よっしゃ今朝は出るのが予定より10分遅れたが余裕をもって到着だ、と思いながら階段を上がって行った。今度の所は事務室が4階にある。4階にはきっと縁があるのだ。
　事務室に入ると、地区の担当者が「今日、遅番だよ」と言う。なんてこったい。しかしこういうことは初めてではない。でもまさか、初日にシフトを間違うとは。まるでマンガだ。しょうがないのでそのまま入ることになった。
　そんなだから午前中は落ち着かなかった。予約の入っている本を探して動き回るが、場所が分からずに焦る。利用者を待たせることも度々あった。それでも今日は天気がよくなかったせいか、特別忙しくもなく割合平穏に過ぎた。だが今度の館は今までの所よりも規模が大きいので、これから大変だ。昼休憩に外に出ると、どこかの会社で社員が集まって集合写真を撮っていた。明日は間違えずに来ることをチーフに誓い、図書館を出た。
　週末に高校時代の友人が出張でやって来るので、坊やのプレゼントにと思い、途中で本屋に寄った。まっすぐ帰るのが何となく面白くなかったから、という気持もあった。いろいろ手にとってはぱらぱらとページを開き、しばらくの間考えて、『はらぺこあおむし』など3冊を買った。
　帰宅する前にスーパーで豆腐やヨーグルトを買ったが、行きも帰りもずっと歩きだ。自転車に乗りたいと思った。でもしばらくはこうやって過ごすのだ。