昼前、仕事の電話で起こされて何とも言えない休日の目覚めをむかえた。しばらくして飯を食って職場に連絡して用事を済ませた。
ぼんやりと過ごしながら、見た夢のことを思い出していた。夢の中で、ぼくは江古田のトキに行った。店内に入ると左手に二人掛けのカウンターがあり、端の方に大き目のお酒の瓶が三本置かれていた。その奥には大きな木製の書棚のようなものが立てられていて、カウンターの右側には四人掛けくらいのテーブルがあった。通路を挟んだ別のテーブルには、年輩の奥様方のグループがいた。入口の上の天井近くにメニューが掲示されていて、焼肉定食(カルビ)とメンチカツ定食のどっちにしようか思案し、今回はメンチカツにしよう、と決めて注文した。
そんな風に見た夢を振り返りながら、トキにはメンチカツはなかったから、今度行ったときには何を食べようか、と実際の店内の様子を思い返してみたが、トキはもうないのだということを直ぐには思い出せずにいた。トキのあった場所はカレー屋になっている。
夕方、一時間ほどうたた寝して、起きて特別美味しくもないジャムパンを食べた。仕事のことで起こされた休日に、休日らしいことも出来ずに終わるのはとてもいやだと思ったが、練習スタジオの予約も取れず、部屋で過ごす気にもなれず、しかし時間は過ぎ、何が出来るということもない。とりあえず風呂に入り、上がってからどうしようと考えた。また川の方へ行ってみるか、と思ってTシャツを着たが、今日は川へは行きたくない。大分ためらったが、結局別のシャツに着替えてサンダル履きで気晴らし程度に上野に行くことにした。
遅い時間だったが空はまだ夕暮れ色ではなく、鱗雲がきれいだった。涼しい風が吹く中、仕事帰りの様子の人々が歩いていた。ホームで大分待ってから京成線に乗り、目的地に行って戻ってパンを買って帰った。帰り道も涼しかったが、少し汗ばんだ。帰宅して洗濯物を取り込み、パンを食べながら少しギターの練習をした。
カテゴリー