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nikki

やって来る人々について

 図書館に不審者が来る。困る。本当に困る。こりゃ逮捕してもらわにゃならん。しかし通報しようにも、現行犯でないとどうにもならないようで現実的には厳しい。来ないようにする為には警告等すればいいんだろうか、と経験の無い問題についてあれこれ考えるが、知識もないからどうすればいいのか、どんな方策をとるのが適切なのか分からない。無い知恵は絞れないので、とりあえず危機管理の本でも読んでみる事にした。
 この不審者に狙われていた同僚は、今度「体調が優れない」という理由で退職することになった。話を聞くと、先日出かけた池袋でふと気付いたら、近くにこの不審者のおっさんがいたのだと言う。これはどう考えても、偶然とは思えない。本人は、その時は冷や汗びっしょりだったけど…、とさして深刻でもない様子で話していたが。

 遠路はるばるやって来るおじいさんもいる。この人は不審者ではない。不審者ではないが、かなりの酒飲みだ。これもとても困る。よく、缶チューハイが幾つも入ったビニール袋を手に下げて図書館に来る。酒飲みの人は、体質の問題でどうしようもなくなるのか、飲んでいるときも素面のときも酒の匂いが漂っている。なので匂いだけで判断すると、いつも酔っているようにしか思えないが、ろれつの回り具合で飲んでいるのか飲んでいないのか見分けられるようになった。借りた本をなくすし汚すしで困った方だが、憎めない感じの人だ。
 だが今日は、苦笑いするしかないことがあった。端的に言うと、持参した携帯電話の待ち受け画像がエロ画像だった、ということだ。そういうことがあったと、後から聞いた。僕は見ていない。
 …いやもうこれ以上、図書館業務に携わる立場上、特定の利用者のことをこんな所で書くわけにはいかないのだが、本当は。でも、公共施設における少し特殊な問題行動の一例として、訴えかけずにはおれない。しかし何だい、いい歳のおじいさんが携帯の待ち受けをそんな画像にするとか。面白いけど。画像をダウンロードしたり待ち受け画面を設定できるのなら、自分の番号くらい把握していてもおかしくないもんだ。
 今日はこのおじいさん、カードを忘れたので電話番号を確認する必要があるのだが、覚えていないので自分の携帯電話を開いて教えて欲しい、とカウンター係のベテランさんが手渡された携帯を開くと上記の次第だった、ということだ。このベテランさんが、そんな不埒な行為も適当に往なせる人でよかった。笑うしかないわい。
 こんなつまらないことが、日々起こる。そうした出来事にあれこれ気を取られるのもいやだが、図書館はいろんな人が来るから仕方がない。酒飲みのおじいさんだって、いろいろ問題はあるが、本を借りて読んでくれる利用者であることには変わりない(いやいや、やはり問題利用者と捉えておくべきか…?)。変質者は本当に断固拒否したいが、それ以外の(多少の逸脱はあるとは言え)よく利用される人たちは、図書館が好きなのだろう。と、思いたい。

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