夜、だらだらしているうちに時間が過ぎ、米を炊くのも飯を作るのも面倒くさくなったので、スパゲティを食べることにした。前にたくさん買って来たのを台所の三段ワゴンの一番上に置いておいたと思ったが、見つからない。2段目に芽が伸び放題のまま放置していたイモがあったのを思い出し見てみると、周りの皿敷きの上に小さな脱け殻がたくさん散らばっている。イモは、いつの間にか小バエの根城になっていたのだ。
芽が出ていない方のイモは袋の中に入っていて、芽が出たイモは裸だったが、ビニール袋の中では幼虫たちが動き回っていた。いくら退治しても流しから小バエがいなくならないと思っていたら、この基地から出撃していたのだ。芽が出ていた方のイモは、栄養分が底をついたのかしわしわにしぼんで枯れていた。ハエのせいで、10年以上も使わずきれいなままだった皿敷きも、少し汚れてしまった。
ワゴンから慎重にイモを取り出したが、ハエが出てきて飛び回るということはなかった。袋の中のイモはくさって訳のわからん黒い物体になっていた。そしてそれをゴミ袋に入れ、口を結んだ。以前、ワゴンの周りの床に脱け殻が散らばっているのを発見したときに、よく探してみるべきだったが、これでもう小バエを気にすることはないだろう。気を付けていないと、生きものも増えるのだ。
結局スパゲティは見つからず、代わりにそうめんをゆがいて食べた。その後お茶を沸かす為にフックにかけていた袋から茶パックを出そうとすると、中にパスタが入っていた。そうめんだけでは足りなかったので、スパゲティも茹でて食べた。
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