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nikki

冬と春

 夕方、左回りの山手線に乗って台東区の不動産屋に行った。五反田から浜松町の間の駅は、知らないところばかりだ。
 不動産屋では社長のおじさんの説明を聞き、部屋のすきま風について話し、金を払って更新をした。今の住まいに移り住んで2年が経った。早いものだ、ついこのあいだ引っ越してきたような気でいたが…。物の量は一向に変わらず、しかし以前ほど買い物をしなくなったので増えたりはしないが、何となく寝起きをしているだけのような暮らしでもある。とは言え楽器を弾けるというのはよいことだ。不動産屋では一年前の震災の日のことを話したりして、帰りにちょっと浮かれてアメ横へ行き、リュックを買って帰った。昼から続いていた頭痛は夜になっても止まなかった。
 今住んでいる街には今でもそれほど愛着を感じないのだが、使いやすい場所にスーパーや弁当屋もあり、生活には便利だ。どこかへ引っ越したいとも思うが、来年度も今の職場にいることが決まっているし、また引越しをしようと奮起する気にもなれない。何処かいい街があれば、と思うが、それはどこだって大差はないのだろう。住んでみれば何処でだって暮らせるし、離れてみればそこを懐かしく思うもんだ。

 もうすぐ春になる。今月は雪が降ったり風邪をひいたりして、冬の終わりをがやがやと騒がしく過ごしているかのようだ。しばらく前に買った春物の上着を早く着たいな、と待ち遠しく思いながら、すぐに暖かくなって着る期間は短いかも知れんな、と要らぬ心配をしたりしている。同じように月日は過ぎていくが、そんな風に楽しみがあるのはいいことだ。花粉症も、何とかやり過ごしたいもんだ。

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