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nikki

盆おどりを眺める

 神奈川の綱島でスティールパンの練習をして、うとうとしながら地下鉄と私鉄の相互乗り入れ便で住まいに戻った。
 家に近付くにつれてにぎやかな音が聞こえてきた。家の近所の公園で盆踊りをやっているのだ。時刻は夜7時になるところだったがまだ明るく、公園の周りに普段は見ることのない数の自転車がとまっていた。昔の盆踊りとは違う雰囲気で、懐かし目のJポップの16ビートに無理矢理リズムを合わせて太鼓を叩いていた。
 20年以上前に学生だった頃、通学でこの公園の横をいつも通っていて、盆踊りの日に何をするでもなく公園の片隅から少しだけ中に入って眺めていると、お店か祭りの係か何かやっているような様子の知らないおばさんがジュースをくれた。そんなことを今でも覚えている。何のジュースだったか思い出せないが、あの頃の大人にまだなりきらない青年が一人でいるのを憐れんだのか気前の良さなのか何なのか、分かりようもないが、ありがたいことだったという思いは今でも残っている。
 梅雨も明けて夏真っ盛りだ。昔は習慣のなかった日焼け止めを軽く塗っても、外に出て帰ってくると肌がひりひりするようだ。

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