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nikki

冬の日々が過ぎる

 年末はあわただしく過ぎていった。
 大晦日から年明け2日まで、都内の妹夫婦宅でうまいものをたくさん食べ、テレビを見るだけというゆったりとした日々を過ごした。そして1月もあれよと言う間に過ぎ去り、今はもう2月の半ばに差し掛かろうとしている。変わらないようでいて色々なことが変わっていくものだ。
 1月の終わり、帰宅すると郵便受けに「鳥を探しています」と大きく書かれた迷い文鳥の捜索チラシが入っていた。紙面にはかわいらしい桜文鳥の写真が印刷されていた。それを見て、高校1年生のときにうちに迷い込んできたチュンと名付けた文鳥のことを思い出した。鳥は飛ぶ生き物だから、何かの拍子にさえぎるもののない空間に飛び出すと、何処かへ行ってしまうのだ。チュンはうちのベランダでやたらと鳴いていたから、飼い主のもとに戻ることは出来なかったが、その後の数年をうちで暮らすことになった。その後、大学進学で実家を離れてから、ある事故であの世に飛び立ってしまった。その時は家族皆が悲しんだ。「鳥を探しています」のチラシの作り主は、切ない思いを抱いて作ったのだろう。「私達の大事な家族です。探しています。」とも書いてあった。小鳥はとても小さいけれど、犬や猫と同じように人間にとって大切な存在になり得るのだ。
 2月になり、NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が完結した。見始めたのは途中からだったが、大河ドラマの視聴は飛び飛びに見ていた「いだてん」を除くと、小学生の頃に放送していた伊達政宗、武田信玄、足利尊氏以来だった。家では大体NHKをつけていて、5分間のダイジェストを何となく見ることが度々あり、そのうち本編に興味を持ち、毎週日曜日夜の放送時間を意識するようになったのは話が半分を過ぎた辺りだった。
 終わりは俗説を採用したような形で、何となく狐につままれたと言うか、複雑な思いにさせられるものだった。主人公が非業の死を遂げるという終わり方なら、判官びいきみたいな形で感情移入して涙できたのかも知れないが、現実に苦しいことの多くなった世の中だから、こんな終わり方も良かったのかもしれない。逆賊のイメージで語られる明智光秀を取り上げたところが面白かったし、毎週同じ時間に楽しみがあるのは良いもんだ。主演の長谷川博己のラストインタビューが掲載されるというので、10数年振りにNHKのテレビ雑誌『ステラ』も買った。来週から始まる渋沢栄一も見てみよう。

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