不動産屋から何度も電話があった。そういう時は大抵、家賃の滞納だ。銀行振り込みは手数料がかかるため、半年分を振り込んでいて次の賃料を入金する時期になっていたのだ。直ぐにお詫びの連絡を入れて、入金した。残高がごっそり減った。
自転車のブレーキが壊れていたのをそのままにしていた。行きたいと思っていたが場所が分からなくなっていた店の所在地を調べて、自転車を持って行って修理を依頼した。お店はよく行くスーパーの直ぐ近くだったが、あまりにひっそりと営業しているので気付かないくらいだったのだ。店内には誰もおらず、奥の扉の方に進んで声をかけようとすると、おじいさんが一人出てきた。修理には時間がかかりそうだったから、スーパーに行って買い物をした。荷物を手にさげて店に戻ると修理は終わっていた。お礼を言うとおじいさんは「私は自転車に鍵をいくつも付けているよ」と言って、店の奥の無造作に積まれた段ボールからワイヤーロックを一本取りだして「サービス」と言ってくれた。初めての店で親切にしてもらえたのが嬉しかったが、今住んでいる町ではそうした心遣いを感じること自体ほとんどないのでなおさら嬉しかった。
スピングルムーヴという、広島を拠点としているスニーカーのメーカーがある。御徒町から秋葉原の間に位置する商業施設に店舗があり、ウェブサイトで商品を見て一足欲しくなったので仕事後に行ってみた。汗をかきかき店に着いて、もう閉店間際だから急いで見にゃならん、と思って目当てのものを探したが見つけられないでいると、店員の方がいろいろ紹介してくれた。履いてみると良い印象だったが、どうも欲しいのとは違うようなのでその旨伝えるといろいろ調べてくれて、自分も調査に手を貸すことになったが、結局商品の色の印象が自宅のPCのディスプレイで見たときと実物とで異なっていた、ということが分かった。残念だが実物は少し変わった色だったので購入はしなかった。店の方は器用ではなかったが誠実かつ朗らかな接客で、立派だと思った。このメーカーのスニーカーは既に2足持っているが、新しい靴を買うときはまたこのメーカーのものを選びたい。
9月から10月にかけてはこうしたことがあった。日々の大半は取るに足らないことばかりだ。雨がたくさん降って、蝉の鳴き声はだんだんとまばらになり、そうして夏は過ぎて秋になった。髪の毛も伸びた。
10月になってから、休日を本当に何もせずに過ごすことが多くなった。昼過ぎに起きて夜寝るまでの間にうたた寝することも多い。家で飯を作って食べることも急に減った。そのうちに風邪をひいた。休みの日の終わり、風呂上がりに薄着のままローラニーロを聴いた。ちょっと寒いと感じたが暑いような気もしたのでそのまま過ごした。別の日、あまりに部屋の中が寒いので長袖の部屋着を出して着替えた。先日の休日は風邪で何もする気にならず、一日中寝ていた。
今日は少し読書をして、夜9時過ぎにやっと近くのスーパーへ行き、食材を買って晩飯を作って食べてやっと人心地がついた。食べるということはとても大事なことだ。いろいろ気掛かりなことを手付かずのまま置いていると、いろいろなことが滞っていくものだ。先ずは飯を食べてよく寝ることだ。
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