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nikki

二つの街を行く

 夏が過ぎた頃から、休日の日に夕方まで寝ていて起きれないことが多くなってきた。今日は昼の1時からピアノのある上野のスタジオを予約していたから、何とか起きて外出し、割合まともな休日を過ごした。息回しをして2回一人で自然体をやって、主にハミングの発声練習をしたが、今日はいつにも増して歌えなかった。
 この頃は服を買うことがほとんどない。でも下着類は消耗するから必要になる。だから今日は、上野の後に池袋へ行って靴下とパンツを買った。それから、ここ数年は部屋着と寝間着兼用になっていた紺色のスウェットの上下が、もういつから着ているのか分からいくらいで(多分学生の頃から、毎年一年間の半分くらいはこれを着て暮らしている)、ふと別の明るい色のが欲しくなった。だからルームウェアも探した。でも、店には明るい色のものは真っ赤くらいしかなかった。部屋着とは言え、さすがに赤の上下は無理だった。仕方なく、青緑みたいな色のジャージみたいなのを選んだ。本当はオレンジ色などがあったら良いのに、と思ったが、中々そういうのはなさそうだ。生活用品の売り場はクリスマスの飾りつけがされていて、余り早く冬の支度が始まっているようで寒さを思い起こさせ、今はまだ秋を普通に過ごさせて欲しいものだと思ったが、お店は勝負だから気が早いのも仕方がない。帰宅して買ってきたジャージを着て、中学の時のジャージと同じような色だと気付いた。
 以前は池袋や新宿に行くことが多かった。近頃は上野の方が馴染むようになってきた。新宿に行くことは、もうほとんどない。池袋はいつ行っても人が多くてびっくりするほどで、閉口してしまう。以前なら大きな本屋やCD屋がない街では過ごしようがなかったが、大体買い物自体あまりしなくなったから、そうした店のない近くの上野に余り気にせずに行くようになった。でもアメ横には行かないし、松坂屋にも行かないし、アブアブにも丸井にも用はなく、上野公園も最後に行ったのは10年くらい前だ。用があるのはスタジオくらいで、たまに駅中の雑貨屋に行くくらいだ。大きい本屋もCD屋もなぜないんだ、と内心よく思うが、京成の上野駅にはパン屋がある。チェーン店だが、お気に入りのパン屋だ。電車に乗る前にパンを買える、というのは大きい。この店のお陰で、生活におけるパン関連の部分が充実してきた。
 引越して来てからしばらくは、京成なんかよく分からん路線だと思っていたが(今でも、路線図を見ても何処が何処やら全く分からない)、上野からだと始発でゆったり座れることもあり、今ではよく使っている。上野を出発して、次の日暮里からは大勢の人が乗ってくる。電車は高架の上を進んでいく。そんな風にして以前は縁のなかった街に馴染みつつも、実家から食料品が届いて開封しながら、なぜ自分は今ここにいるんだろうと思ったりもする。秋の日々は過ぎ行く。

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